過ちの本質
住野よるさんの『青くて痛くて脆い』を読みました
住野よるさんの作品全てに共通するんですけど、登場人物の人格が自分と掠る…笑
今回は主人公の距離感と、ヒロイン()の理想思想が似てんなぁって感じでしたね
※ここから若干ネタバレ含む?
あと、キミスイと同じようなあの特別(または大切)な関係性
恋人というような、わかりやすい関係でもないけれど、友人よりも高潔であって、それでいて親友と呼べるものでもない、不思議な関係…
これはあくまで僕の推測ですが、住野よるさんにはそう行った関係の方がいるんでしょうね、出ないとかの関係はかけませんよ
書けるのならば、とんでもない才能ですが…
僕にも実際そういったような関係の女の子がいるのでわかります
一瞬「この関係に名前つけちゃってよ住野よるさん!」とか思いましたが、名前をつけることによって、その関係が特別ではなくなるんじゃないかなーと考えたり…抽象化された関係を言葉で表せる時点ですごいです
わざわざこれを端的に単語を作って、この大切な関係を蔑ろにして、品というか、格というか、想いみたいなのを勘違いされたくないですしね
とまあこんな感じで最高の本でした
(全然まとまってない…)
さて、タイトル回収をしたいのですが、皆さんは、過ちの要素、ひいては条件ってなんだと思いますか?
僕は、今までずっと、原因があるものだと思っていました
過去のあの選択が悪かった…
あそこであのことに気づいていれば…
とまあ、大体は「たられば」に代表されるように、もし〜だったら、がなくなれば過ちもなくなると
でも、この作品を読んでみると、どうやら違ったようです
過ちってのは、理想を追いかけることだと思うんです
というのも、僕は、この2人は最初から最後までモアイだったと思うんですよ
主人公はヒロの理想を追いかけて走っていたし、ヒロは自分の理想を追いかけて走っていた
この作品は主人公目線で書かれていますが、例の言い合いのシーンなんかは過去のヒロ(理想のヒロ)との対比が行われてますから、やっぱり理想を追いかけていたのではないかと
ヒロはヒロで作中の表情の変化からも本当に主人公を心配して、何もできなくて、でも何かをしたくて、苦しみながら頑張っていたんでしょうね。心の中で核を外さずに
まあ、お互い四年生の時はたぶん、どちらも普通の大学生になっちゃったんでしょうね
あんなに特別だったのに…
ベクトルがずれて、現実と理想を跨ごうとして、時間の流れがわからなくて、人は過ちを犯してしまうんだと思います
ま、結果的にはやっぱモアイでしたけど
補い合って、影響し合って、求めあって、共に追いかけたんでしょうね、アオハルかよ
たぶん、大人になった2人は、あの時の自分たちは青かったなぁって、痛いやつだったなぁって、脆い心だったなぁって、酒でも飲みながら理想をつまみに語り合ってるんじゃないですかね
…妄想が入ってしまいましたが、本当に面白い本でした
ぜひ読んでみてくださいね!